あしすと通信① 床反力とは

「床からの押し返す力(床反力)」は、立つ・歩くを支える大切な力です。手すりなどの福祉用具は、その力を活かして動作をやさしくサポートします。安心できる環境づくりのヒントをご紹介します。

床反力(ゆかはんりょく)・反力とは】床反力とは、人が床に接触しているときに、床から人に対して作用する反力のことです。具体的には足底が床を押す力(身体の重さ)に対して、床が足底を押し返す力のことです。2つの力は通常釣り合っています。立っているだけで人は床から押し返されている訳ですから若者は地面を蹴ってかけっこしたり、飛び跳ねたりできるのですね。

一方で高齢者は筋力低下によって床からの押し返しを活用できないどころか床反力を維持する(立っている場合はその姿勢を維持する)ことが困難となり、筋力低下により前かがみ姿勢になったり、移動に際してはバランスを崩すこともあるのです。

もう少し身近な例で床反力を説明しますと、体重計にのる際に、片足からゆっくりのっていくと【グゥーッ】という力の充実感を感じると思います。踏み方次第で体重計の数値も【グゥーッ】の感覚も上がります。完全に体重計にのってしまえば最終的にはご自分の体重で止まります。実はその【グゥーッ】の感覚が床反力といわれるものなのです。

反力は床からだけではなく、壁からも感じられると思います。壁に対して体重をかけて両手で押すようにすると壁から押し返されている感じがありますよね。これも反力の一つです。歩行不安定な利用者さまが家の中を安全につたい歩きしているのは壁からの反力を無意識的に活用しているからです。

手すりも反力を活用するための道具です。下のイラストのような環境がある場合、縦の手すりを握り黒い矢印の方向にひくと逆方向への反力が生じます。この反力が立ち上がりの際に下肢への床反力(前述の【グゥーッ】の感覚)をしばらく軽減し、立ち上がりまでの動作の容易性を向上させます。下肢への負担が軽減するので筋力低下を補えます。

立ち上がりには、前方への重心移動も伴うので、座面の高さ、利用者さまの脊柱、腰、股関節、膝などの状態や痛み、筋力の程度など、複合的な要素を考慮して手すりの位置を決定します。上がり框の手すりや浴室手すりなども同様に評価を行い、手すりの形状、位置を決めていきます。デザイン性もご家族様が気にされるところなので考慮します。

僭越ながら参考になれば幸いです。これからも福祉用具アシストはご利用者さまにより良い環境を創出するために活動をつづけてまいります。

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